僕が始めてアンジェラ・アキというアーティストを知ったのは、
福井県にある、老舗CDショップ「松木屋」の店頭でした。
コンサートチケットの配券に行った帰りに、迷惑な話ですが、
店内の視聴盤を根こそぎ流し聴きしていた時、「HOME」と出逢いました。
「ふるさと故郷。心の中に今でも優しく響いてる」
そのフレーズが、単身の身で独り金沢に来ていた僕にとって、
とても優しくて、とても切ない物でした。
そして、気付くとカップリングの曲まですべて聴き終わっていました。
近年、DL販売で楽曲を入手することが主流ですが、
これは買って手元に置いておきたいと思った1枚です。
さて、ライブを始めてみた時のお話です。
開演寸前、会場内はピンっと張詰めた真剣な空気の中、
皆一人のカリスマの登場を心待ちにしていました。
そして、大きな拍手と歓声の中、登場した彼女はもちろん、
ヴィンテージのGパン、そしてTシャツ、黒ぶちめがね。
このスタンスは今も頑ななまでに変わらないですね(笑)
まあ、そんなことは置いておきまして、
演奏が始まると、
優美なピアノに体で当たって音を放ち、声を轟かす彼女の姿を見て正直鳥肌が立ちました。
力強いピアノのタッチから生まれる正確なリズムに乗って、
ホールの隅から隅まで浸透する美声が感動の渦を巻き起こします。
なんていうか、うまい表現がででこないですけど、
音楽が耳から頭に到達する前にその声で心臓撃ちぬかれた、みたいな感じです。
個人的に思うんですけど、彼女の音楽は何も新しくないんです。
どこか懐かしく、とても身近で、大道の真ん中をスパンっと心地よく奏でてくれる、そんな音楽。
真剣な感動を求めるなら、僕は一番に「アンジェラ・アキ」を推薦します。
@。忘れてならないのは彼女のMCです。
MCになると軽快な大阪弁につられて湧き上がる爆笑の渦。
きっとアンジェラさんはどんなバラエティ番組に出ても通用します。
そのギャップも彼女の魅力の一つです。
あと、個人的に思い入れの深い曲に「This Love」があります。
この曲がリリースされてからしばらくして、ある結婚式に出席しました。
新郎、新婦入場のBGMで流れてきたのがこの曲です。
「重ねたこの手を今度は離さない。信じる力が愛を自由にする。」
なんてストレートな歌詞なのでしょう。
僕はこの曲に凄く勇気付けられ、助けられました。
アンジェラ・アキの歌詞はそれを聞く人が、
その日、その時間の自分のそれぞれのストーリーに、
それぞれの解釈で重ねやすい思うんです。
ふとした瞬間に頭の中で流れてる「自分BGM」ってありますよね。
アンジェラ・アキの作品はまさにそれにはまり易い名曲がたくさんあります。
さて、今春のツアーで見事にサクラ色を咲かせた、アンジェラ・アキ。
NEWアルバムも引提げて、このエンタメスタイルのエリアに戻ってきます。
是非コンサートに来てその場で体感して下さい。
そして、感動してください。ステージを見つめる貴方は泣いているのかもしれません。
テキスト/へなちょこライターZAWA
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